菓子折りを持って

父は30代の時にベーチェット病にかかりほとんど目がみえなくなった。現代ではベーチェット病、エリテマトーデス、などの膠原病は原因不明の難病とされている。膠原病ではないが甲状腺機能異常や花粉症でも自己免疫疾患が原因の病気は多数ある。大気や水質の汚染、食品に含まれる化学物質、農薬、薬剤そういった本来自然になかったものが細胞に対して与える情報により、遺伝子レベルで変化が起こり免疫異常が起きているのだと思う。

父は病院に入院していたのだが病状がどんどん悪くなり、同じ病名を持つ病室の人々が失明していっているのを見て、病室を抜け出しタクシーでパジャマを着たまま帰ってきてしまったという。母がどんなに説得しても「帰らん!」といって聞かなかったそうだ。病院ではまさか自殺?と屋上まで探し、大騒ぎになった。母は仕方なく父の代わりに菓子折りをもって病院に行き、医師や看護師に謝って回ったと晩年よく語ったものだ。

父はそれから盲学校に入学し鍼灸の道に進み、自らの治療をしてベーチェット病を克服して視力も取り戻した。周りがどんな考えであろうとそれに合わせることなく、自己の考えを信じ貫くのが父の生き方だ。世の中の常識からみればド変人で、家族は事あるごとに恥ずかしい思いをする。逆に母は教師の長女で、常識・正道まっしぐらという人だったのがおもしろい。

大根の間引き菜とアスパラをココナッツオイルで炒め、白だしを少し、玄米によく合う。

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