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執筆者の写真加藤喜代

猫のお客様

更新日:2023年4月3日


 当院の看板猫ナツコことなっちゃん。ここしばらくの寒さのせいか、オシッコが出なくなり、そのうちに血尿まで出すようになってしまった。大好きなこたつから出て冷たい床の上で丸まっているところをみると、熱も出ているようだ。おそらく腎結石があるか、腎盂腎炎になっているものと思われた。

 ある朝治療室の掃除をして扉を開けたままにしていたら、ちょこんと脱衣かごに収まっていた。普段は厳しく言い渡してあるのでめったに治療室には入らないし、脱衣かごに入るのも初めてのことだったので「これはもう治療してほしくて来たのだな」と感じ、さっそく提鍼(金属片をあてる、小児鍼などに使う鍼)を使って治療をした。

 

 猫の脈は取れないので、自分の脈を診ながら腎臓系統のツボへ提鍼をあててゆく。人間でいうと胸椎の10番、11番の間の横ラインで腎を補い、猫の百会と言われる腰の一番高いところ、それからなっちゃんは股関節脱臼があるので大腿骨あたりを治療点とした。いつもは股関節脱臼のせいか腰の方へ手をやっただけでも、ひっかいたり噛んだりしてくるのに、じっとしている。あいかわらず舌は出たままだが、なんとなくホッとした表情になったように感じる。

 時間をみつけては3回ほど治療したら、徐々に元気を取り戻し、翌々日にはご飯が食べられるようになった。なっちゃんがあちこちにお漏らしをしてしまうので、こたつ布団を洗いに2度もコインランドリーに行く羽目になったが、ちゃんとトイレで用を足せるようになった。なによりも、すやすやと幸せそうにこたつで眠る姿を見られるようになり、ひと安心。

 門前の小僧ならぬ、門前の猫。普段お客様が出入りしている横で、寝てばっかりいるなっちゃんだが、治療していることを知っていたのかしらん?なっちゃん、ご来院ありがと~!(^-^)


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